銀色の玉の中で息を潜めて丸まっている

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一休さんの話

一休さんを知っているだろうか。

 

一休さんと言えば、無理難題を"とんち"で解決する坊主のことだ。

 

「このはし渡るべからず」と書いてある橋を「端ではなく真ん中を歩けば良いのです」と言って中央突破する、屁理屈小坊主である。

 

オレは幼稚園の頃に一休さんの絵本を読んだ。薄い、ポップな絵柄の日本昔ばなしシリーズのやつ。

 

一休さんのラストはこうだった。


彼のとんちの噂を聞いた殿様が一休を呼びつけ、「この屏風の中の虎が夜な夜な屏風から出てきてうろつくから恐ろしくてならん。この虎を捕まえてみよ」と言う。すると一休はこう返す。

 

「わかりました。ではまず屏風から虎を出してください。」

 

このとんちで殿様はやり込められました、一休さん万歳、トッピンパラリのぷう、で終わる。

 

???????????

 

このとんち何??


虎を屏風から出すのも含めて無理難題なんじゃないの??

 

「屏風の虎を捕まえてみよ、まあ虎は屏風の中にいるから捕まえようがないがな!!!ハッッ!!」
という問題のはずなのに、一休の答えは
「屏風から出してくれ」
なのである。

 

いや、出すのもお前の仕事だろ。
クソ馬鹿の小坊主か?

 

これが通用するとすると、一休に課せられた仕事は「虎を捕まえる」というものだけになる。
怪力男じゃないんだから。

 

どちらかといえば屏風から出すのがメインじゃないの?

 

何このとんち?

 

だがこんなに一休さんが有名なのだから世間ではこのとんちは認められているということになる。

 

という疑問をオレは10年以上ひっそりと抱き続けてきた。

 

ここまで付いてこれてますか?

 

大人になれないやつは置いていきます。

 

時々誰かに聞いても「え?いや屏風の虎は捕まえられないってことだろ」と返されて、オレが納得しないとめちゃくちゃめんどくさそうな顔をされる。

 

「もっと大事な話しようぜ、女の話とかさ」みたいな顔をされる。
本当にされる。

 

これを昨日友達と議論した。
30分くらいした。
議論は平行線をたどり、結局友達がgoogleで検索した。

 

一休さんのラストはこうであった。
「屏風の虎を捕まえてみろ」という殿様に対し一休は「ではまず屏風から虎を出してください」と返す。

 

そして殿様はこう言う。

 

 

「何を言うか、屏風の虎が出てくるわけがなかろう」

 

 

一休万歳!!!!!!!!!!!

 

 

これは完全に一休万歳である。

 

殿様自らに「屏風の虎は出てくることはない、だから夜な夜な虎が出てくるという話は嘘だ」と認めさせた。

 

この殿様の最後のセリフがあって初めて一休さんのとんちは成立したわけだ。

 

このセリフをオレは記憶から飛ばしており、ずっと一休はクソ馬鹿の小坊主だと思っていた。クソ馬鹿はオレだ。

 

これは本当に感動した。恐れ入った。

 

一休万歳。

 

 

結論。すぐググれ。