銀色の玉の中で息を潜めて丸まっている

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好きなことやろうねイズム

オレはもう末期の捻くれ方をしているので、「みんな好きなことやろうね〜」という風潮さえ気持ち悪い。Twitterでよく見ますね。

 

なんか、社会の構造は一切変わらないのに、思想としての「好きなことやろうねイズム」だけが蔓延している感じがする。好きなことをして暮らしていけるのは一部の強い人間だけで、弱い人間たちにとってはむしろ「好きなことやればいいじゃん、なんでやらないの?やらないお前が悪い」という圧力になっている。

 

というか、そもそも「みんな好きなことやろうね」って発信するってのが気持ち悪い。だって、本当にみんながそれぞれ好きなことやればいいと思ってるんだったら他人に干渉する気なんか起きないはずだから。「好きなことやろうね」ってのはつまり、自分のやりたいようにやるということで、他の人が何やろうと関係がない。好きなことやってればいいんだから。

 

それに、人間社会で好きなことをやるってことは、誰かにそのしわ寄せが行くってことなので、全員で好きなことやるのは不可能だ。

 

「好きなことやろうね論者」は、「好きなことやろうねイズム」が優れていると思ってるからマウントを取るために発信してるだけで、実際には好きなことをやれない弱者に圧力をかけている。だから、一見ほんわか幸せなように見えるこの思想は、実際には自己中心的な強者の思想である。

 

オレはこの手の、思想を他人に押しつける行為にすごく嫌悪感がある。誰がどう思っていようと関係がないだろうが、と思う。お前の思想が優れていると思うなよ。

 

しかし、一方で。

オレもまた他人に思想を押しつけていることになる。つまり、「誰がどう思ってようが関係ないだろイズム」を、押しつけている。

これはすごく自分の嫌いなところだ。誰かに干渉している人に対して、「干渉するのやめなよ」と思うし、言う時もある。でもこれは自分も誰かに干渉していることになる。自分が最も嫌う行為を自分でやってしまう。

 

こういうような話を後輩にしたら、「相対主義の限界ってやつですね」と言われた。そうらしいです。