銀色の玉の中で息を潜めて丸まっている

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ずるい話

以前、友達が運転する車の助手席に座ってる時に、友達のプレイリストから椎名林檎の『幸福論』が流れたんです。

 

時の流れと空の色に

何も望みはしないように

素顔で泣いて笑う君の

そのままを愛してる故に

あたしは君のメロディーやその

哲学や言葉全てを

守り通します君がここに

生きてるという真実だけで

幸福なんです

 

そしたら友達が急に「オレ幸福論の歌詞みたいな彼女が欲しいんだよね」って呟いたので、オレは「な〜〜〜〜にをくさいことを言ってるんだこいつは」と思いました。

 

でも、同時に、「めちゃくちゃ良いことを言うな」とも思いました。ずるいな、オレが先にそれ言いたかった。オレもそう思ってたし。

 

 

そう言ってた友達に後日初めて彼女ができたので、オレは「幸福論みたいな彼女?」って聞きました。そしたら「なんでそんなこと覚えてんだよ」ってびっくりした後に、「そうだね」って頷いたんですよね。

 

なんか、すごいずるいなと思いましたね。

幸福論みたいな彼女がいてずるいな、とかでは全然なくて、なんというか、その一連の状況とか、オレへの返しとか、価値観とか、そういうのが、ずるいなと思ったんですよね。

 

以上です。